Dream。~君と私の応援歌~
結局、信太も甲斐くんも一歩も譲らず、
0対0の攻防戦のまま、9回表を迎えた。
『四番バッター……朝市くん』
その瞬間、星蘭高校の応援団が歓声をあげる。
朝市くんはバッターボックスに入ると、真剣に目を細めた。
「……結構ヤバイかも」
「えっ?」
心春が額から汗を流しながら、唇を噛み締めた。
「朝市くん。星蘭高校のエースで、試合では何本もホームラン打ってる……。甲斐くんにも疲れが見えてきてるし……。」
甲斐くんをみると、滴る汗を何度も拭っていた。
その表情にもう余裕はない。