Dream。~君と私の応援歌~
あいつの周りに人だかりができた。
「おいっ!!担架だ!!」
審判が腹に響くような大声で叫ぶ。
そっと観客席をみると、雫がフェンスに張り付いて、綾野をみていた。
「ごめん……本当に」
目の前を担架に乗せられた綾野が運ばれ、通りすぎていく。
こんなの、野球じゃねえよ。
「……くっそぉ」
俺は、詫びなきゃなんねえ。
東青高校のやつらに。
もう、俺の居場所なんて関係ねえ。
もう、絶対に
雫を悲しませないから――。