Dream。~君と私の応援歌~


湊くんは、太ももの靭帯を大きく損傷していて、切断しか方法がなかったんだって。


『湊が左足を失くした。もう野球は二度とできないそうだ』


そう聞いたみんなは悲しそうに、その事実を受け止めれないって感じで泣いていた。


「……なんで、あいつだけあんな目に……」


「湊が……もう野球できねえって……。そんなの、信じられねえよ」


嗚咽をあげて泣いているみんなの姿に、私は心が痛んだ。


笛吹先生に湊くんの病室を聞き、透とそこに向かう。


湊くんは、普通にただ普通に寝ていた。


呼べばすぐに起きてしまいそうな。

いつもと変わらない優しい表情で寝ていたの。


左足が失くなったなんて思えないくらい。



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