Dream。~君と私の応援歌~
しばらくして、みんなと信太は練習があるって言って、先に帰っていった。
信太も「一緒に練習しよう」って誘われて、本当に嬉しそうだったし……。
「なにニヤニヤしてんの?」
湊くんがすこし笑いながら私に言った。
「ニヤニヤなんてしてない!……本当、ありがとね。信太もきっと嬉しいと思う」
「だから別にいいって。……それに、あいつには頑張ってもらいたかった。……俺はこんな状態で……野球なんてできねえからな」
その言葉がチクリと胸に刺さる。
『もう二度と野球をできない』
そう言われたとき、湊くんは一体どう思ったの?
「……昨日ね、歌をつくったんだ。今の湊くんを思って……」
私はギターケースからギターを取り出すと、膝の上に置いた。