Dream。~君と私の応援歌~
「……湊。そのことなんだけどね、昨日父さんと話し合ったの。このまま、野球ができないまま、ここにいても湊が辛いだけでしょ?……だから、遠くに引っ越さないかって」
「……は?」
引っ越す?どういうことだよ。
「野球が二度とできないのに、ここにいてみんなの練習みて、甲子園に出てるみんなをみても、あなたが辛いだけ。だから、野球を忘れるような遠いところに……」
「ふざけんなよっ!!」
気づけば、叫んでいた。
周りのリハビリ中の患者たちの視線が、俺と母さんに集まる。
「湊!落ち着いて……」
「野球ができねえなんて、誰が決めたんだよ!俺がみんなの練習見てて辛いなんて、誰が決めたんだよ!」
母さんに当たってもどうしようもないことだってくらい、俺だって分かる。
でも、止まらなかった。