Dream。~君と私の応援歌~


風が心地いい。


俺は病院の庭のベンチに座って、夕暮れの空をみていた。


普通なら、甲子園に向けてみんなと必死に練習してるのに……。


「あー……情けねえ」


「何が情けないの?」


声がして顔をあげると、そこには制服姿でギターケースを背負ったニッコリ笑顔の雫がいた。


雫は俺の隣に座ると、「どうしたの?」と首を傾げた。


左足を失くしてから、俺は雫に助けられっぱなし。

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