Dream。~君と私の応援歌~
「諦めないでよ。諦めたら湊くんは本当に野球ができなくなるよ?……きっと詠斗ならこう言う。『最後まで諦めるな。未来なんてお前の努力次第で180度、360度、変わる』って……」
兄貴はいつも前向きだった。
一度も後ろなんて向いてなかった。
だけど、俺は今……。
「ありがとう。……またお前に助けられた。俺も前を向くよ」
前を向くんだ。
兄貴を俺は超えるから。
「うん!私やみんながそばにいるから……。信じてね」
雫が俺の手をぎゅっと握った。
『あなたは、一人じゃないよ』
そう言われてる気がしたんだ。
「頑張ろうね!湊くん!!」
微笑む雫。
でも、これが俺のみた雫の最後の笑顔だった。