Dream。~君と私の応援歌~
雫と別れて病室に戻ると、母さんが帰りの支度をしているところだった。
「……湊。母さん、今日はもう帰るね」
「あ。母さん……」
病室を出ようとする母さんを俺は呼び止めた。
母さんが振り返る。
その目には涙がたまっていた。
「……さっきはひどいこと言ってごめん。でも俺、引っ越したくないから」
俺は、真っ向から闘いたいんだ。
どんな困難があっても乗り越えていきたい。
「諦めたくない。俺、絶対兄貴を超える野球選手になる。……兄貴なら絶対諦めねえから……」