Dream。~君と私の応援歌~
「……綾野くん?」
「え、あ、なに?」
雫が申し訳なさそうに俺の名前を呼んだ。
なんでそんな顔するんだよ。
「……ごめんね。あなたが、私にとってどんな存在だったのか、分からない……」
「……」
嘘でも「大丈夫」だなんて言えなかった。
全然大丈夫じゃねえ。
愛してた奴に、一番大切な奴に、俺の存在を忘れられてるんだから。
「で、でも大丈夫!」
慌てた様子で、雫がわざとらしく明るい声をあげた。
きっと落ち込んでる俺を元気付けるためだ。
そういうところは、なんも変わってねえ。