Dream。~君と私の応援歌~
「そのお守りがどうかしたのか?」
俺が聞くと、雫が切なそうに目を伏せた。
「……懐かしいの。なんだか、このお守り見てると、懐かしい感じがするの」
それは、兄貴を思い出してるんだろうか?
もし、記憶から兄貴を失った悲しい思い出を消したら、雫は何も悲しまなくていいんじゃないか。
「綾野くん。ずっと気になってたんだけど……」
「あ、なに?」
雫が俺の義足をみて、悲しそうに眉を下げた。
「……足、どうしたの?」
そっか。俺が義足ってことも忘れてるのか。