Dream。~君と私の応援歌~

取り戻したくない記憶



夕方になり、俺はリハビリに行かずに、病室でずっと作詞ノートを読んでいた。


すると、コンコンと病室のドアがノックされた。


作詞ノートを慌てて隠す。


「……綾野くん。いる?」


入ってきたのは、練習を終えた心春先輩だった。

手には紙袋を持っている。


「……ケーキ。買ってきたんだ。食べない?」


心春先輩は紙袋から、美味しそうなチョコケーキを取り出すと、皿に取り分けた。


「リハビリ、行ってないの?」


「はい。……なんか、そんな気分じゃなくて……」



< 257 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop