Dream。~君と私の応援歌~
雫の病室からは「リハビリに行くから」って理由で出てきたけど、正直そんな気分じゃなかった。
「……さっき雫のところにも行ってきたんだけど、ギター弾いてた。前みたいに上手じゃないけど、必死で思い出そうとしてるみたい。」
「思い出す……」
それが、雫の幸せなのか。
俺は隠した雫の作詞ノートをそっと心春先輩に渡した。
「……なにこれ。」
「雫の作詞ノートです。今までの嬉しかった思い出、悲しかった思い出が全部書かれてる……。兄貴との思い出も」
心春先輩が作詞ノートを読みながら、すこし目を潤ませた。