Dream。~君と私の応援歌~
「……綾野くんは、雫に良い思い出だけ思い出させて、その他の悲しい思い出は忘れさせよう。そう言ってるの?そう思ってるの?」
「そっちの方が、雫は悲しまない。」
「悲しむとか悲しまないとかそんな問題じゃないでしょ!!」
心春先輩が声を荒らげた。
初めてみる、心春先輩がこんなに怒ってるところ。
「どんなに悲しい思い出でも、雫は思い出さなくちゃいけないの!!雫の中から、詠斗くんの存在を消しちゃダメ!!雫がどんなに詠斗くんを大好きだったか……綾野くんなら分かるでしょ?」
ああ。分かるよ。
だから、だからこそ……。
「思い出したら、またその悲しい思い出と闘わないといけない。度々、その思い出を思い出して、雫が悲しむ……。心春先輩だって、雫の悲しむところ見たくないだろ!?」
もう見たくないんだ。
雫の悲しむ顔は……。
雫の涙は……。