Dream。~君と私の応援歌~
「うん。見たくないよ。でも、この作詞ノートに書き綴った思い出は、悲しいことだからじゃない!……きっと雫の大切な思い出をこのノートに綴ってるの。悲しくても、雫の大切な思い出!それを私たちに選ぶ権利なんてない!!」
心春先輩はそう叫ぶと、カバンの中に作詞ノートを入れた。
「……これは、私が預かっておくね。雫が全てを思い出して良いときに、私から渡す。……叩いてごめんね」
そう言うと、心春先輩は病室を出ていった。
俺は皿に取り分けられたケーキを床にばらまいた。
こんなのに八つ当たりしても仕方ないって分かってる。
でも、どうしようもなかった。
何が正解で、何が間違いなんだ。
「……教えてくれよ。兄貴」
心春先輩に叩かれた頬が、妙にヒリヒリして痛かった。