Dream。~君と私の応援歌~
「どうかしたの?」
「あ、いや。嬉しくてさ。……雫がそんなこと言ってくれるの」
「……ねえ、もしかしてだけど。私が記憶を失う前、私と綾野くんは……恋人同士だった?」
その問いにすぐに答えることができなかった。
「そうだよ」って答えれば、雫は俺を思い出すかもしれない。
でも、そしたら……。
俺は自分の左足をみた。
この義足で野球をすることは、ほとんど不可能だって言われてる。
雫は俺と恋人だと知ったら、辛くても俺を支えるんじゃないか。
俺を支えることばかりで、雫が歌手の夢を諦めたら……。