Dream。~君と私の応援歌~
明日退院できるんだ。
でも、私の両親は一回もお見舞いに来てないし……。
お母さんたちは私のことなんて、どうでもいいのかな。
そう思った、そのときだった。
「……雫?」
声がして振り返ると、そこには見たことのない女の人と男の人がいた。
女の人は目に涙を浮かべ、私を強く抱き締めた。
その匂いが、香りが。
すぐに分かったんだ。
この人が、私のお母さんだって。
「……っ。お母さん?」
「ごめんね。すぐに来れなくて。ずっと心配だったんだけど……」