Dream。~君と私の応援歌~
俺の頭を叩いたのは、透先輩だったらしい。
「……それ以上言ったら、お前を辞めさせるぞ。」
「……本当のことです」
医者からも言われたんだ。
もう野球はできないって……。
すると、夏樹先輩が俺の肩を叩いた。
「野球ができねえって言われても『もう一度できるようにしてやる!』って自信満々に言ってたお前はどこに行ったんだよ。詠斗を超えてやるって言ってたお前はどこに行ったんだよ」
「片瀬先輩を甲子園に連れていくって言ってただろ。その夢をこんなことで諦めるのか?」
一輝の言葉に俺はどうしようもない怒りをおぼえた。
こんなことって、なんだよ。
「野球がしたくてもできねえのに、それをこんなことって……。お前は俺の気持ちなんか……」
「分かってる。分かってるから言ってんだよ」