Dream。~君と私の応援歌~


俺の頭を叩いたのは、透先輩だったらしい。


「……それ以上言ったら、お前を辞めさせるぞ。」


「……本当のことです」


医者からも言われたんだ。

もう野球はできないって……。


すると、夏樹先輩が俺の肩を叩いた。


「野球ができねえって言われても『もう一度できるようにしてやる!』って自信満々に言ってたお前はどこに行ったんだよ。詠斗を超えてやるって言ってたお前はどこに行ったんだよ」


「片瀬先輩を甲子園に連れていくって言ってただろ。その夢をこんなことで諦めるのか?」


一輝の言葉に俺はどうしようもない怒りをおぼえた。

こんなことって、なんだよ。


「野球がしたくてもできねえのに、それをこんなことって……。お前は俺の気持ちなんか……」


「分かってる。分かってるから言ってんだよ」


< 284 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop