Dream。~君と私の応援歌~
解散を終えても、俺は一人で打撃練習をしていた。
バットを持つと、ふらつく足。
代打で出場が決まったなら、その役目を果たさないといけない。
バットを振ることがこんなにも難しいなんて……。
「……片瀬は?」
聞こえた声に振り返ると、そこには透先輩が立っていた。
なんでここに透先輩が……。
「先に帰りました。お母さんたち待たせてるみたいだったから」
「そうか……。詠斗のことは、もう言ったのか?」
その言葉に俺のバットを振る手がとまる。