Dream。~君と私の応援歌~
甲子園だけに観客席はすごく混んでいた。
応援団や吹奏楽部のみんなが、せっせと準備をしている。
「……相手高校も強そうだね」
私は相手高校のベンチをみて、小さく呟いた。
相手高校は、毎年甲子園に出場している強豪高校と聞いた。
勝てるかな。
「大丈夫!絶対勝てるから!」
心春ちゃんが私の肩を叩いた。
え?なんで、私の思ってること……。
「私、雫の親友だよ?雫の考えてることなんてすぐに分かるから!」
親友……。
なんだかすごく懐かしい。
「あ!みて!始まるよ!」
心春ちゃんがグラウンドを指差した。
とうとう始まるんだ。
夏の甲子園が――。