Dream。~君と私の応援歌~
きっと逆転してくれる。
そう信じてたけど、3対0のまま、9回裏を迎えてしまった。
ここまでは、甲斐くんと代わった信太くんがずっと抑えてきてくれていた。
9回裏が始まる直前、心春ちゃんが「こんなときにごめんね」とカバンからノートを取り出した。
なんでノート?
「これ……。記憶がなくなる前に雫が歌作りに使ってた、作詞ノート……」
「作詞ノート……?」
私はそれを受け取り、中身を開いた。
その瞬間、無くなってたパズルのピースがはまったように、私の頭の中の何かが全て繋がる。
なに。この感覚――……。
私が額を抑えたとき、9回裏が始まった。