Dream。~君と私の応援歌~
どうしようもないプレッシャーに、バットを握る手が震えた。
ボックスに立つと、足に力が入らなくなる。
今まで感じたことのない緊張感――。
落ち着け。落ち着くんだ。
『もう二度と野球はできない』
そう宣告されても、諦めなかった。
仲間がいたから。
ここまで来れた。
だけど、体は正直だった。
ガクッと足に力が入らなくなり、地面に座り込んでしまう。
バットを支えに何度も立ち上がろうとするが、なかなか力が入らない。
「くそっ……」
やっぱり、無理なのか。
そう思った、そのときだった。
「――……湊くんっ!!!!」
甲子園に、涼しい夏の風が吹いた。