Dream。~君と私の応援歌~
「中学の時にチームが全国大会までいって、それを導いたのがキャプテンの綾野くん。彼の守備と打撃は高校生並にすごくて、それでついた異名が『野球の天才』。でも、チームは決勝で負けちゃって準優勝。しかも、敗因は綾野くんの守備でのミス。」
だから、怖いんだ。
また、自分のせいで負けるんじゃないかって。
また、自分のせいでチームのみんなが傷つくんじゃないかって。
そんなの、湊くんに似合わないよ。
「……心春。練習終わったら湊くんを、屋上に連れてきてくれない」
「えっ?」
私は、彼の力になりたい。
「歌を……聴かせたいの」