Dream。~君と私の応援歌~
透先輩にあいつの過去を聞かされて、俺は練習どころじゃなくなった。
どんなに集中しようとしても、できない。
ちらつくのは、あいつの泣き顔。
俺が、あいつにあんな顔させたんだ。
「……綾野くん」
ボーッとしてると、心春先輩から声をかけられた。
そういえば、心春先輩はあいつの親友だったな。
「練習に集中できてないみたいだけど。どうかしたの?」
心春先輩の気遣ってくれる優しさも、今の俺にはうっとうしくて仕方がなかった。