Dream。~君と私の応援歌~
「……俺。絶対甲子園に行ってみせる」
「えっ……?」
顔をあげると、すぐ近くに湊くんの顔が……。
恥ずかしくなって視線をそらすと、湊くんが私の頬を両手でつかんで、私の目をジッと見た。
「……兄貴の叶えられなかった夢を、俺が叶えてやる。……特大のホームラン打ってやるから。絶対、お前を悲しませない。一人に……させないから」
なんでこんなこと、言えちゃうの?
詠斗が私のそばからいなくなって、私は大好きな野球を遠ざけてた。
詠斗を思い出しちゃって、野球が悲しいものに見えてしまうから。
でも詠斗がいなくなっても、彼の愛してた野球に変わりはない。