Dream。~君と私の応援歌~
俺と兄貴は父親が違った。
兄貴の父親は離婚して、それから男手ひとつで兄貴を育ててきたと聞いてる。
俺の母親は早くに亡くなっていて、
兄貴の母親と俺の父親が再婚して、俺と兄貴は出逢った。
兄貴は母親がちゃんとやれているか、それが心配で小学6年生の頃、一人で俺の家までやって来た。
2つ下の俺にも優しかった。
そんな兄貴の得意なこと、それが野球。
俺は兄貴のしていた野球に惚れ、兄貴から野球を教えてもらっていた。
野球だけじゃない。勉強も、社会の常識も、親じゃなくて全部兄貴が教えてくれた。
小学生の頃、中学生の不良の奴らと喧嘩したときも、兄貴が俺に内緒で俺の代わりに謝って、「ふざけんな」って不良の奴らに暴力をふるわれていた。