Dream。~君と私の応援歌~


兄貴は見事、選抜でさよならホームランを決めた。


テレビの前でそれを見ていた俺は、改めて兄貴の野球に惚れたのを覚えている。


これで、兄貴は甲子園に行ける。


俺はいてもたっても居られなくて、兄貴の携帯に電話をかけた。


試合が終わったばかりで、1回目は出なかった。響く空しい通知音。


きっと兄貴がかけて直してきてくれる。


そう思って、リビングに戻った。


でも、その『きっと』はやってこなかった。









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