おまけのコイゴコロ
 


「まだかなり家に余ってるし、大上がアレがいいって言うなら明日いくらでも持ってくるけど。大上へのお返し、みんなと同じものでいいの?」

「……っ!」


ぶわわわわ! と。
頭のてっぺんからつま先まで、全身に一気に熱が回ったような気がした。

たくさんの中のひとつ。1ヶ月前、やっとの思いで手渡した、おまけみたいな恋心。

……ねえ、宇佐美。

ずるい。こんなの絶対ずるい。
だって、そんなこと言われたら、



落ち着かない心臓と茹で上がった顔をなんとか隠したくて大げさに俯いたわたしは、右手を包む彼の手をそっと握り返した。









3月14日ホワイトデー。

この日の放課後わたしとパン屋さんに行くために、またしても会長さまが事前に会室担当の割り振りを好き勝手に調整していたことを知るのは、もう少し先のはなし。


-END-


 
< 16 / 16 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:9

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

悪魔に優しいくちづけを

総文字数/3,675

恋愛(その他)12ページ

表紙を見る
魔法使いじゃなくても

総文字数/910

恋愛(学園)1ページ

表紙を見る
真夜中ビター・チョコレイト

総文字数/3,189

恋愛(その他)7ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop