主人公になれない
河上アイラの場合
第1話 はじまり
キーンコーンカーンコーン…
ガタガタッ
「きりーつ」
「れーい」
四時間目終了の挨拶の後、私はお弁当を持って、隣のクラスの友達、ユイの元へ行った
…が、
「…あれ、ユイは?」
近くにいた女子に声を掛けると
「お、アイラじゃん、ああ…ユイはまた呼び出しよ、今日は三年のイケメン、大神(おおが)先輩だってさ」
「あー…」
…またか、といつものことのように思いつつも、今日は少し肩を落とした