恋するドリームノート
チリリン。
扉が開くと、
井上さん‼

「今日はランチはお休みですか?」
「あっ、すいません‼ オーナーがお休みで…。」

そうっ、と井上さんが言うと、
いつもの窓際の席に座った。

「ロールサンドウィッチなら、ありますよ。」
笑顔で、笑顔で。
急いで、水を持っていくと。
「じゃあ、それ。2個とブレンド…。」

なんだか、素っ気ない感じ。
井上さん、文庫本を読み始めた。

「よぉ、ゆいちゃん‼」
カウンター奥の扉が開くと、
おばちゃんの甥の聡君が顔を出した。

「あら、いらっしゃい。おばちゃんの病院のお迎えでしょ。」
忙しいそうに、井上さんのロールサンドをお皿に乗せると、
「おっ、美味しそうだな。俺も食べようかな。」
「お店の大事な商品ですからね。」
「分かってるよ〜。お客になるよ。」
「いいわよ、早く出掛けなさいよ。」
聡君は、私と同い年の幼馴染。
実家の和菓子屋さんを手伝っている。
草野球が大好きで、日に焼けた顔でニヤケている。

「お腹、ペコペコだからさ。俺、そのロールサンド4個ね。」
ドカッとカウンター席に聡君は座ってしまった。


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