恋するドリームノート
「まぁ、そんな時もあるさ。ポテトサラダ味の方は、まあまあだよ。」
「うっ…。」
「落ち込むなよぉ。」

井上さんが、さっと立ち上がり、
「お勘定、置きますね。」
ドアを開けて、出て行ってしまった。

「あっ、すみません‼」
私は、呆然とした。
あんなに笑顔で、美味しいと言ってくれていた、井上さんが…。
怒ってしまったんだ。

どうしよう。
おばちゃんにお店を任されてるのに、
失敗しちゃった。

「ゆいちゃん〜。どうしたの?
篭にあるロールサンド、1個残ってるよね。俺、食べるよ。」
「いいわよ、これは私が食べる。」

玉子が挟んであるロールサンドを、一口食べてみた。
ホントだ、塩辛い。
そんな…。
恥ずかしさと悔しさで、泣きそう。
冷蔵庫に玉子サラダが残っていた。
慌てて、すべて捨ててしまった。

「おいおい、ゆいちゃん。何も捨てなくても。」

聡君の声を無視して、洗い物を始めた。
蛇口の水が、凍るように冷たい。
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