恋するドリームノート
8時にお店を閉めてから、
おばちゃんの家の台所で、ポトフを作り始めた。

牛のすじ肉を煮込んでスープを作る。
アクをとって、丁寧に。
じゃがいも、にんじん、玉ねぎ。
皮をむいたり、刻んだり。
おばちゃんの手順通り。

大事な塩加減。
おばちゃんは、腰をさすりながら、教えてくれた。

「あとは煮込んでいくと、味がしみるか、細火でコトコトね。
ゆいちゃん、なかなか、やるじゃない。」
「お料理、上手くなりたくて。」
「フフッ、食べさせたい相手でも出来たかな?」
「そんな‼ ないですよ‼」
「ふうん、そうかしらね〜。そうそう、明日からランチだけ、お店に出るわね。」
「えっ、おばちゃん、大丈夫なの?」
「お客様の入りが心配、久しぶりにランチを出すでしょ。」
「なんだか、ドキドキする。」

ポトフの大きな鍋から、ホンワカと良い香りがしてきた。
私の作ったランチを、お客様にお出しする。
おばちゃんの時と同じように、
喜んでくれるかしら。
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