恋するドリームノート
「ほら、涙、拭きなよ。」

聡君の車の助手席に座らされ、ハンドタオルを渡された。

「ゆいちゃん、どうしたんだよ?」
「うん…。あの、ワンコインのお弁当。」
「ああ、この頃、来るようになったんだ。なかなか繁盛してるよ。」

繁盛してるんだ。

「なんだよぉ、それでショックなのか?」
「……。」
「コパンのランチは、どこにも負けないんじゃないの?
自信持てよ。」

聡君、励ましてくれるの?

「ランチタイム、始まっちゃうぞ。泣いてないで、帰ろう。」

近いけど、送ってやるよって。
聡君が暖かい。

「ううん、歩いていけるから。大丈夫。」
「そんな顔して、おばちゃんが心配するぞ。」
「ありがと。」

聡君の車から出ると、冷たい風が顔に当たった。

「ゆいちゃん、あとで、ランチ食べに行くよ。」
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