恋するドリームノート
コパンは、カウンター席に5人、4人掛けのテーブル席が4つ。
雑巾を絞ると、テーブルの上を拭いていった。

「ゆいちゃん、この看板を表に立てかけて。それから、外も綺麗に掃いてね。
終わったら、トイレ掃除も。」
「はぁい〜。」
「なによ、その返事。キビキビとハイって言いなさい。」
「ハ、ハイ‼」

小山のおばちゃんから、看板を受け取ると、
『コパンのランチ、特製ハンバーグ』って、書いてあった。
おばちゃんが、朝から仕込んで作ったハンバーグは、コパンの名物。
ハンバーグ目当てのお客様も多い。

外を綺麗に掃いたら、
トイレ掃除。
他人の家のトイレ掃除なんて、したことない。
いやだなぁ。

「トイレは、ピカピカにね。お客様が一番見るところだから。」
おばちゃんが、頭の上から言う。
私は無言で、ゴシゴシ。

「ゆいちゃん、終わったら、手を綺麗に洗ってね。
そろそろ、ランチのお客様が見えるころだから。」

時計を見ると、11時30分。
ドアの向こうから、ランチのお客様がドヤドヤと入って来た。
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