恋するドリームノート
ドリームノート、第二章。
喫茶店コパンでアルバイトを始めてから、一週間が過ぎた。
小山のおばちゃんが、ロールサンドウィッチを作るのを任せてくれるようになった。

「ゆいちゃんのロールサンドウィッチ、評判良いのよね。ランチタイムで完売ね。」
おばちゃんは、フフッと笑って。
「あの、窓際に座る井上さん、良くテイクアウトしてくれるし。」
「え、そうですか?」
「ゆいちゃんが作ったって話したら、それから毎日、買って行ってくれるわよ〜。」
「えぇっ。」
「あら〜。いいじゃない。張り合いがあるわよ。あ、噂をすれば、来た来た。」

チリリン、ドアが開くと、スラッと背の高い、グレーのスーツの井上さんが入って来た。

「いらっしゃいませ。ほら、ゆいちゃん、お水を持っていって。」

私が、お水を持っていくと、
「ブレンドをお願いします。」
そう、井上さんは言うと、文庫本を開いた。

おばちゃんは、フフッと笑うと、コーヒーを落とし始めた。
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