恋するドリームノート
お店に、おばちゃんの好きなジャズが流れる。
二人でお茶を、っていう曲だそうだ。

井上さん、どんな本を読んでるんだろう。
そんなこと、考えていると、ふと、目を上げて、私と目があった。
優しい目。
やぁ、どうしよう。

「ゆいちゃん、コーヒーお待ちどうさま〜。」
「ハ、ハイ‼」

落ちついて、落ちついて、運ばなきゃ。

「お、お待たせいたしました。」
「ありがとう。」

はぁー。なんだか良い香りがした。
なんだろう。
おばちゃんは、井上さんの方を見て、また、フフッと笑った。

「ここでコーヒーを飲むと、落ちつきますね。」
「ありがとうございます、そう言っていただくと、嬉しいですよ。」
「いつもの、ロールサンドをテイクアウトしたいんですけど。」
「はいはい、あと5個ありますよ。」
「それ、全部ください。」

おばちゃんは、嬉しそうに袋に入れると、
「ゆいちゃん、持っていってあげて。」

えぇっ、もう。
「ロールサンド、とっても美味しいですよ。」

私は、ありがとうございますっと言うと、ボーッとしてしまった。
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