恋するドリームノート
「とっても美味しいですよ。」
井上さんの声が、部屋に戻っても離れない。
そんなこと、言われたこと、今までなかった。

おばちゃんが言うには、井上さんは独身で、おばちゃんのランチやコーヒーが楽しみだそうだ。
それに、

「なんだか、ゆいちゃんがお目当てみたいね。ロールサンドウィッチも、沢山買っていくし。」
おばちゃんが、こんな事を言うので気になっちゃう。

優しい目、あんな目で見られちゃうなんて。
どうしよう〜。

机に向かって、ドリームノートをパラパラっと開いた。
結婚する、というページが開いた。

優しい人が良いって、書いてある。

ふうっ〜。ため息。
行を変えて、書き加えた。
コパンのお客様の井上さん、彼みたいに優しい目の人が…。
やだ、私、何を書いてるの?

ドリームノートに、また、夢が増えた。



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