狂犬の手懐け方
飛んで火に入る夏の虫

篠原凛



柳ヶ丘高校1年1組。
朝登校した私は教室の黒板を見て自分の目を疑った。

クラスメイトが食い入るように黒板を見ながら、一人の男子が音読を始める。

嫌そうな悲鳴を上げる女子達。
眉をひそめる一部の男子。


私は自分の口角が上がるのを感じた。
とても面白いことが始まりそうだ。

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