狂犬の手懐け方


ちゅっ


小さな音が聞こえた。
それに右頬に柔らかくて温かい何かが触れた。


……

………



それが唇だと気付いた時、私は既に教室ではなく校舎裏にいた。
右頬を腫れさせた相馬と一緒に。

どうやら無意識に殴っていたようだ。
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