狂犬の手懐け方

ーーー


「で、どうしたの?」

教室で凛に相馬のことを話した。

「とりあえず顔面殴って逃げた」

「珍しいね、あんたが逃げるなんて」

「……」

凛の言うとおり。相馬相手に逃げるなんて今までなかった。

「で、どうするの?」

「どうするべき?」

尋ねると凛は困ったように笑った。

「なに考えてんのかわからないもんね。返事出しづらいなぁ」

「そうなんだよな。どうせ嫌がらせなんだろうけど…何がしたいのかわからない」

「でもさ、あんたを頼るってことはよっぽどのことなんじゃないの?」

「……そうかも。わからないけど」

「いっそ付き合ってみたらいいんじゃない?
そしたら何かわかるかも」

「うーん」

そんな気持ちで付き合っていいものなのか?
好き合ってる人同士が付き合うべきなんじゃないのか?

わからないなぁ。

< 15 / 97 >

この作品をシェア

pagetop