狂犬の手懐け方


「……お前さぁ」

「言わなくても結構」

「惨めだな」

「だから言わなくていいってば!」

キッと睨んだ。
本当に哀れんだような目で見てくる。

自分でもわかってる。
からかっては殴られ、こんな嘘をついても報われない。

「ほら、元気出せよ」

俺の気持ちを知るツッキーは俺に飴玉をくれた。

あーもう、優しいな。
この優しさが女子に伝わればさぞもてるだろうに。
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