狂犬の手懐け方



「あんたよりも私の方が相馬くんに相応しいと思わない?」

「はぁ」

「別れてくれないかな。どう考えても釣り合わないでしょ」

「……」


休み時間、トイレから教室に戻るまでの廊下からふと外を見た。
そこからは校舎裏が見える。

校舎裏には数人の女子と、それらに囲まれた犬塚の姿があった。

女子達の姿にも見覚えがある。

確か二年の先輩で、相馬に色目を使ってきていた人達だ。
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