狂犬の手懐け方
「何でお前がここにいんだよ!」
「俺もここで昼ご飯食べようと思って」
「屋上は立入禁止だぞ!」
「うーん、それを君が言うのはどうかなぁ」
「うっ」
赤い顔のまま、ヒカルは相馬くんに悪態をつく。
ヒカルと接してる時の相馬くんって本当に幸せそうだとつくづく思う。
身の危険も顧みずにヒカルと関わろうとするなんて正気の沙汰ではないと思うんだけど、だからこそヒカルの特別は相馬くんしか考えられない。
「てか顔赤くない? 熱でもあんの? バカのくせに」
「う、うっせえし! 近付くな!」
もう一発、ヒカルは相馬くんに殴りかかった。それも難なく避ける。