狂犬の手懐け方

「ごちそうさまでした」

私は両手を合わせて言う。そして弁当箱を袋に入れた。

「お、戻るのか?」

大槻くんの問いかけに頷く。昼休みは残り10分。彼のお弁当の中身は空っぽだ。

「次の授業の準備もあるしね。じゃあね、二人とも」

私は彼らを屋上に残して階段を降りた。


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