狂犬の手懐け方


「……なんだこれ」

小さく呟き、持っていた鞄を落としてしまう。それほどの衝撃を受けた。

黒板には、いくつかの写真とチョークで書かれた文字が並んでいる。

『実はラブラブ! いつものケンカは照れ隠し!?』

大きくそう書かれている。
そしてわざわざ拡大コピーで貼られている写真は間違いなく、私と憎き相馬との写真だった。

一緒に帰る写真。
キスする写真。
いかがわしいホテルに入ろうとする写真。


当然どれも身に覚えがない。
< 6 / 97 >

この作品をシェア

pagetop