狂犬の手懐け方



「……ん」

ベッドの隣に椅子を置き、そこでうとうとする。

すると突然犬塚の声がした。飛びかけた意識を強引に戻す。

「……?」

「おはよう。ご機嫌いかが?」

いまいち事態を把握していない犬塚に、いつもの調子で声をかける。

犬塚はぼけっと俺を見つめた後、カッと顔を赤くした。

……何がどうなってるわけ?
なんか、今の感じだと俺を見て照れた感じみたいにみえるけど。

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