狂犬の手懐け方
「あのさぁ」
無理やり布団を引っぺがす。
寝起きは調子が悪いのかもしれない。いつもなら力比べで犬塚に勝ったことないし。
布団で顔を隠せなくなった犬塚は自分の腕を使って顔を隠し始めた。
「俺に対して感謝とかはないわけ?」
そこで俺は調子に乗って犬塚の腕をベッドに押さえつける。相変わらず真っ赤な顔が現れた。
「離せ! 触るな!」
抵抗しようとするも、いつもより弱々しい。
俺は今、完全に優位に立っている。
そんな状況と犬塚の反応に、加虐心が煽られた。