狂犬の手懐け方

「おはよ、ヒカル。あんた相馬とこういう仲だったんだね」

キラキラとした素敵な笑顔で、友達の篠原凛が挨拶してくれた。

こいつ、絶対楽しんでる。目を見てわかった。

「相馬のとこ行ってくる」

「あら、お熱いこと」

凛を睨んだ。凛には手を上げないって決めてる。
頭のいい凛を口で言い負かすことなんてできないから、やられっぱなしなわけだけど、折角の友達を失うよりもだいぶマシ。


とにかく、相馬に会わないと。
あの字は確実に相馬の字だ。しかもわざわざ利き手ではない右手で書いた筆跡。


あいつは何を考えている? 何が目的なんだ?
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