狂犬の手懐け方
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「先生、湿布ー」
バキッという音と共にドアが開いた。
入って来たのは噂されていた犬塚。鍵を破壊したようだ。
「あれ、先生いないんじゃん」
「えっと、先生は今出張だけど…それどうしたの?」
相馬は犬塚の腕を指差す。犬塚は涼しげな顔をしているけど、左足首が見るからに腫れていた。
「足を挫いた。それだけだ」
「……ふーん? あ、俺湿布出すから座ってなよ」
どう挫けばそうなるのだろうか。そしてどうして涼しい顔でいられるのだろうか。いまいちわからない。