狂犬の手懐け方
「ごめんね、ばれちゃった」
「あ?」
「まさか写真撮られるなんて思わなくてさ」
「は?」
どう考えても合成だろ。私は喧嘩以外で相馬と行動した記憶がない。
「でもまぁ、これもきっかけだよね。俺達の付き合いが周知の事実になる、さ」
「つきあい?」
「ばれるのが恥ずかしい気持ちはわかるよ。でももういいんじゃないかな。
俺はヒカルちゃんと付き合っている。その事実をみんなに知ってもらおうよ」
「お前何を言ってーー」
相馬が一気に距離を詰めてきた。
展開についていけない私の目の前に来たけど、私はそれに対して後ずさりすることが精一杯。
相馬は後ずさりをする私の肩を掴んだ。パニック。混乱。私の頭は働いてくれない。