元カレ
「もうっ!!しつこいっ!!いい加減にっ」
足を止めて、振り返って怒鳴った時だった。
強い力で腕を掴まれた。
「いいから聞けよっ!!!」
亮くんも怒鳴った。
すごく怖い顔で。
同時によみがえってくるのは、彼と恋人同士で束縛されていた中学時代。
「は、離してっ……」
「あいつに近づくな」
「何言ってるの?あいつって……」
「村田だよ。あんな奴と、仲良くするな。今後一切、あいつとは関わるな」
「……は?」
言いたい事って、それ……?
「何それ……。亮くん、また私を束縛するんだね……ほんっとに最低。もう私、亮くんの事、顔も見たくないくらい大嫌いだから。声も聞きたくない、話したくない」